君の膵臓をたべたい 住野よる 〜共病文庫が紡ぐ二人の物語〜

小説

こんにちは!NAO (@mekun12)です。

今回ご紹介したいのは、映画化もされて話題となった君の膵臓をたべたいです。

主人公は、読書好きで周囲との関係を遮断している男子高校生。

彼は、自分からコミュニティを広げることに対してあまり関心がなくクラスの中でも地味な学生といったポジションです。

ある日病院の待ち合い室で座っていると横に本が置いてあり、中身を見ると手書きで書かれた日記でした。

その持ち主は、同じクラスの山内桜良のもので、彼女はそれを共病文庫と呼びます。

そう、彼女は膵臓の病気で余命が決まっていたのです。そして、そのことを家族以外で唯一知ることとなる彼。

山内桜良は、男子からも同性からも好かれる典型的なリア充で、主人公の彼とは真逆の人生を歩んできました。

ふつうに生活をしていればまず交わることのない二人の歯車が共病文庫をきっかけにかみ合います。

いつも笑顔で「うわははは」と笑う彼女。どこか俗世に関心のない彼。

読んでいて、自分がもし彼と同じ状況だったら彼女が自分の死について語った時に今までの日常を与えることができるのか?と考えさせられました。

周りの人を気遣い、周囲を明るくするのが好きな彼女は、周りを心配させたくないし死の直前までこの日常を壊したくないという思いから親しい人にも内緒にして一人で自分の病気と向き合っていました。

彼に出会って秘密を打ち明けることができた彼女が言ったこのセリフが印象的だったので引用します。

【仲良し】くんにしか話さないよ。

君は、きっとただ一人、私に真実と日常を与えてくれる人なんじゃないかな。

お医者さんは、真実だけしか教えてくれない。

家族は、私の発言一つ一つに過剰反応して、日常を取り繕うのに必死になってる。

友達もきっと、知ったらそうなると思う。

君だけは真実を知りながら、私と日常をやってくれてるから、私は君と遊ぶのが楽しいよ。

君の膵臓をたべたい 住野よる P.75

【仲良し】くんという書き方は、最後の最後まで主人公の名前を出さずにその時々で彼の周りの人が抱いている感情で彼を呼んでいます。

これ以上書いちゃうと全部言ってしまいたくなるのでこの辺で終わりたいと思います。笑

最後に、この小説に出会えて1日1日をもっと大切に生きようと思いましたし、自分だけの世界で終わってしまうのではなく誰かとこころを通わせることで周りを幸せにできる人になれればなって思いました。

読後にこのタイトルを見ると全く違う捉え方になります。ぜひ、多くの伏線を回収しながら物語を楽しんでください。